歯のコラム

COLUMN

飲食とお口の中のpH

2019/3/20

歯の基礎知識

飲食をするとお口の中のpHは強い酸性になります。

pHが酸性になるとはどういうことなのか、説明しましょう。

 

酸性とは・・・

酸性や中性、アルカリ性というのは水溶液の性質名です。

お酢やレモン果汁などの酸味のあるものは酸性。

漂白剤やせっけん、草木を燃やしたあとにできる灰を水に溶かした灰汁(あく)などはアルカリ性。

中性とは、酸性とアルカリ性のちょうど中間の性質名のことです。

 

pHとは・・・

酸性やアルカリ性には、それぞれの性質濃度が強いか弱いかを表す度合いがあります。この酸性やアルカリ性の度合いを表すのに、pH(ピーエッチ)と呼ばれる数値を使います。

pHは、酸性からアルカリ性まで0~14の目盛りをつけ、酸性やアルカリ性の度合いをその目盛りの数字で表します。pH7を中性とし、それ以下を酸性、それ以上をアルカリ性としています。 pH7よりも値が小さければ小さいほど酸性の性質が強く、値が大きければアルカリ性の性質が強いということです。

 

 

飲食をすると・・・

飲食をするとむし歯菌は活動を開始し、むし歯菌によりお口の中は酸性になります。お口の中が酸性になると、歯が溶ける状態となるのです。(pH5.5より低くなると歯の表面からリンやカルシウムが溶け出します)

下の図は飲食を開始して終えるまでの、お口の中のpHの変化をグラフ化したものです。これをステファンカーブと呼びます。

 

 

飲食前のお口の中はpH7の中性ですが、飲食を開始するとすぐに酸性に傾きます。食事中はpHが元に戻ることはなく、歯が溶ける状態が続きます。つまり間食が多かったり、ダラダラと飲食をしているとむし歯になりやすいということです。

飲食を終えると唾液のはたらきにより、お口の中のpHは元の中性へと戻ります。中性へ戻ればむし歯菌は活動できません。

お口の中のpHを上手くコントロールするために、飲食の回数・時間を規則正しいものにしましょう。

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