COLUMN
2023/5/11
むし歯
虫歯があるとなれない職業。それはずばり宇宙飛行士とパイロットです。
厳密にはなれないわけではなく、口腔内にむし歯があると仕事に差し障りがあるということです。
みなさんは飛行機等で高いところに上った時、気圧の変化で耳がキーンと痛くなったことがありませんか?
むし歯でも同様のことが起こります。急激な気圧低下により、むし歯による歯の穴が膨張してしまい、歯の痛みを感じる神経(歯髄)を圧迫し、痛みを発生させます。
ちなみにむし歯の治療途中であっても、歯の内圧が上がり痛みが出ます。
このような気圧の変化による歯の痛みを【航空性歯痛】といいます。
さて、先ほどの宇宙飛行士とパイロットが、なぜむし歯があると仕事に差し障りがあるかというと、宇宙飛行士やパイロットは気圧の低い環境で長時間作業するため、虫歯があると、この【口腔性歯痛】に苦しむことになります。
宇宙飛行士やパイロットは、ちょっとしたミスが大事故につながることから、高い集中力が求められます。
むし歯の痛みで集中できない状態では危険なので、宇宙飛行士とパイロットはむし歯ゼロを求められるのです。
パイロットになる条件に、航空法で「口腔及び歯牙に航空業務に支障を来たすおそれのある疾患又は機能障害がない事」と定められるほど、口腔の健康が重要視されています。
宇宙飛行士やパイロットにならなくても、むし歯予防はどんな仕事をしていても重要なことです!みなさんしっかりお口のケアを行いましょう!
余談ですが、宇宙飛行士がむし歯のある状態で宇宙ステーションに入ってしまい、もしも口腔性歯痛が起きた場合、治療はせずにすぐに抜歯してしまうんだそうです。
「いきなり抜歯するの!?」と思ってしまいますが、スペースシャトルや宇宙ステーションに歯科医師はいませんよね。もしも歯医者さんを兼任する宇宙飛行士がいたとしても、無重力の状態で歯を削ったら、削った時の粉や水がステーション内に飛び散って大変ですよね。
そのために、宇宙飛行士は歯を抜く訓練をするそうですよ。