歯のコラム

COLUMN

「妊娠性歯周病」をご存じですか?

2019/9/20

歯周病

妊娠による体の変化はお口の中にも表れます。

妊娠中は、食生活の変化やホルモンバランスの変化、つわりなどによって口腔環境が不衛生になるため、むし歯や歯周病になりやすい状態なのです。

妊娠により女性ホルモン(エストロゲンなど)を好む歯周病菌が活発化するため、とくに歯周病は悪化しやすい状況にあります。

妊娠がわかったら、普段よりも念入りに口腔ケアを行いましょう。

 

 

妊娠中に歯周病になってしまうと、悪影響があるのは妊婦にだけではありません。

歯周病に罹患している歯肉から、毒素や炎症を引き起こす物質が、歯肉の血管を通り血流に乗って全身へ運ばれ、胎盤に刺激を与えて胎児の成長を阻害するため、低体重児出産(体重2500グラム未満)につながります。低体重児を出産した妊婦は、健康な妊婦と比べて歯周病菌の保有が約4.5倍もあります。

また、出産が近づくと、プロスタグランジンという物質により、子宮が収縮し分娩が始まります。しかし歯周病の炎症を抑制させる物質としてもプロスタグランジンが作られるため、分娩時と同じように子宮収縮を促し早産(37週未満の出産)を引き起こしてしまいます。早産を引き起こす原因は喫煙や飲酒によっても高くなりますが、実は歯周病による早産リスクの方がはるかに高いのです。歯周病の妊婦は健康な妊婦と比べて早産リスクが約7倍もあります。

おなかの赤ちゃんのためにも、歯周病にはくれぐれもご注意ください。

イラスト参考『出典:(株)コムネット』

 

明石市では平成26年より明石市お住いの妊婦を対象に、「妊婦歯科健康診査」を実施していますが、当院は明石市歯科医師会協力歯科医療機関ではありませんので、検診費用は通常のお支払いとなります。ご了承ください。

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